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痛みのスタディルーム!

【痛みの各論 part3】関節機能障害による痛み!

なぜ関節が痛くなるのか!?

みなさん,こんにちは。

マニュアルフィジオサロンあきはのブログへようこそ!

身体の痛み治療のスペシャリスト
“認定徒手理学療法士”の齋藤賢一です。

理学療法士の仕事は近年,細分化,専門分化しているのと同様に,『徒手療法』の中にも様々な流派やコンセプトが存在します。

しかし,『徒手療法』の歴史や発展を見てみると,その核となるテクニックは「関節モビライゼーション」と呼ばれる,関節機能障害の評価と治療技術がその中心となります!!

ということで,
今回のテーマは,『関節機能障害による痛み!』です。

まずは,『関節』についてのおさらいです。

『関節』=骨と骨の接合部です。

身体のありとあらゆる所に存在し,その関節がしっかりと可動することで,わたしたちは,動く/動かすことが可能なわけです。

関節を大きく2つに分類してみます。

1.解剖学的な関節
2.機能的な関節

1.の解剖学的な関節は,いわゆる「~~関節」と名の付く関節はほぼこれに該当します。
→その特徴は,解剖学的に,関節包と呼ばれる袋で包まれ,その内面は滑膜で覆われ,中は滑液が充満し,骨の表面には関節軟骨があり,「滑膜関節」の構造を成しているものです。
例)肩関節,股関節,膝関節などなど

2.の機能的な関節は,「滑膜関節」の構造を成してはいないが,機能的に関節のように機能している部位ということができます。
例)肩甲胸郭関節(肩甲骨の所),遠位脛腓関節(足のくるぶしの所),第2肩関節など
→その特徴は,骨と骨の接合部が,筋(肉)または靭帯によって支えられているということにあります。

それでは,次に,

身体機能における関節の役割とは?

何なのでしょうか??

→それは,

『運動性/可動性』&『安定性/支持性』

と言えるのではないでしょうか!!

【丸太とひも】
一つの硬い剛体(丸太)は,安定性は非常に高いですが,運動性はほぼありません。
一本の細いひもは,運動性は非常に高いですが,安定性はほぼありません。

関節とは,
この相反する機能的な役割を担っているのです!!

これは,治療のコンセプトにも直結します。

『運動性/可動性が悪い』場合,
→Mobilization

で硬さを取り除くアプローチの適応!!

『安定性/支持性が悪い』場合,
→Stabilization

で安定性を高めるアプローチの適応!!

ただ,このどちらか一方の機能障害ということは少ないので,

運動性Mobility × 安定性Stability=mostability という造語を聞いたり聞かなかったり。。。

しかし,スタビライゼーションだけが,アプローチの適応というのもほぼありません。

基本は,モビライゼーション+αでスタビライゼーションも!というイメージでしょうか!?

『痛みと身体機能の関係について!』のブログでもご紹介した通り,その代表的な身体機能障害は,「硬くなる,動かなくなる」ということでした。
(Immobilization:不動,不活動)

要は,「関節が硬くなる」=痛みに直結する!!!ということです。
(神経生理学的な科学的根拠/エビデンスがあります)

「関節が硬くなる」
=関節可動域制限や関節拘縮と表現されます。
→関節可動域とは,骨と骨のなす角度のことです(量的な評価)。
→硬くなるということは,この角度が少なくなるということ。

例)正座ができる=膝(ひざ)が最後まで曲がる=可動域は150~160°

もう一つ角度の他に,「関節の硬さ」の指標があります。
=それは,関節の遊び(Joint play)/関節副運動と表現されます。
→これは,角度などの数値化はできない指標で,まさに『徒手』での質的な評価になります。

【関節の遊び/関節副運動】
これはまさに熟練のテクニックを要求される評価と治療技術になります。

例)膝関節
→解剖学的には,蝶番関節に分類され,一軸性の屈伸のみの関節とされています。
→しかし,運動学的/徒手療法的には,多方向への副運動を有する関節なのです。
→主な副運動は,軸回旋,転がり,滑り,です。
→正座の動きは,内旋の軸回旋+関節内での転がり/滑り=膝屈曲160°の可動域

というふうに考えられます。

関節機能障害の把握と改善には,

関節可動域での量的評価
(理学療法士の学生でもできます)

関節副運動の質的評価
(『徒手療法』での高度で熟練の技術が必要)

が必要とされます!!

副運動で硬さの方向や程度を確認

関節モビライゼーション
(副運動の正常化)

正常な関節可動域の獲得

必要に応じてスタビライゼーション

が,一般的な関節機能障害改善の流れと言えます!!!

いかがでしたでしょうか??

身体の至る所の痛みにおいて,関節機能障害による痛みを有している割合は非常に高いのです!!!

しかし,副運動というレベルでしっかりとその機能障害を把握できなければ,当たり前ですが,ただ関節を動かしているだけでは,残念ながら治りません。。。

関節痛や身体の不調でお悩みの方は,是非一度ご相談ください。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

「いたみのないシアワセ!」
「できることのヨロコビ!」をあなたへ。

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